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シートベルトは本当に安全ベルト?

安全ベルトは万一の場合の被害を少なくする、というのは定説だし、実証ずみのことだ。けれども、安全ベルトの取り付け方法や使用法はそうとばかりいえるものではない。例えば飛行機のベルトのような二点式の場合、付けていても付けていないのとおなじぐらい被害を受けることがある。場合によっては使い方が悪かったため、使用していなかった方がよかったようなことも全くないではない。

 

二点式ベルトをゆるく締めて時速30キロ程度で正面から障壁に衝突した場合、ベルトを締めていないと、衝撃で尻がシートから床に落ち、ハンドルのリムで頭を打つ程度で終わるか、フロントダッシュに体を打ちつけて打撲傷をうけることになる。これが、ゆるゆるにシートベルトを締めていた場合、同じようにショックを与えると、衝突のショックで尻が慣性で滑りだす。

 

ゆるく締めたベルトのたるみ分だけ滑ってから、急激にベルトで体をとめられ、上半身が折り曲げられ、加速がついた頭がハンドルなどにたたきつけられる。なんのことはない、ゴルフのクラブを、コックでためておいて振りはじめ、コックをゆるめてその加速度を利用してボールを打つのに似ている。ノーコック打法と、コック打法ではコック打法の方がインパクトは強いのは当たり前。

 

では、三点式ベルトなら完全か、というとそうとは限らない。こいつもゆるゆるにしておかないと体が束縛されて困る。この場合、胸に当たるベルトの上辺が問題になる。いいかげんに付けられた上アンカーの位置によっては、頚動脈にあの固く剛いナイロン素材のベルトが触れる場合がある。インパクトを受けて強大な加速度が加わると、ナイロンベルトで頚動脈を切ってしまう。これではカミソリ自殺とおんなじことで、セフティでもなんでもない。こんな例は日本では報告がないが、アメリカのフリーウェイやドイツのアウトバーンでの事故報告に出ているから恐ろしい。

 

西ドイツでは、安全ベルトの装着について厳しいが、安全ベルトが〃安全〃であるための実験が進んでいて、まさか生身の人間を乗せて衝突実験はできないから、日本では考えも及ばない方法でより安全なもののテストを繰り返している。どうしてもコンピュータぐるみ人形ではわからないことが多いと聞いている。日本人は情緒的だし西欧と同じで、とても人間実験なんぞできっこない。そこで各社各様にお人形さんにテストドライバーをやってもらい、その情況を高速度撮影して解析するわけだ。

 

だが、人間のフィーリングよりコンピュータデータの方が重要視されがちだから、どうにも使いにくいものばかり。シートベルトは一○○%安全とは言い切れない。でも、しないよりはしたほうがはるかに安全のためにはいい。

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