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暖気運転は本当に必要?

ウォーミングアップを5分も10分もやっている人がいる。本人はとても良いことでもしているように思って、アイドリングを続けている。中には、「オレはクルマ大事にしてるんだ。冬なんか、エンジン掛けてから朝メシ食って、それから出発するほどだからね。」などと得意気にいう人もいる。

 

クルマを止めたままでエンジンを回していれば暖気運転だ、とする常識は誰が作ったものか知らない。けれども、あんなことはまるで役に立たない。ガソリン・エンジンは常温エンジンと別称があるくらいで、75〜80℃で快調に運転ができるように設計してある。けれども、それはエンジンだけのことで、ほかの部分、とくに回転部分については通用しがたい。

 

アイドリングを長時間続ければ、エンジンだけは無負荷で運転されていても、温度が上がっていいかもしれない。けれども、それ以外の回転、擦動部分はどうかといえば、何時間アイドリングを続けようと暖まりはしないのだ。たとえばトランスミッション、デファレンシャル・ギア、タイヤなどは冷えたまんま。

 

冷たい金属はモロい。それに急激なロードをかければボキッといってしまう。それを防止するためのウォーミングアップだ9だから、単にエンジンだけでなく、トランスミッションもデファレンシャル・ギアも暖めてやらなければ本当の意味のウォーミングアップとはならない。レースなどで、本番前にサーキットを2〜3周するのはそのためだ。

 

つまり、エンジンはアイドリングで暖まりもしようが、クルマが動かなければトランスミッションもデフも暖まりはしないということだ。「じゃ、どうすりやいい?」というのなら、エンジンを掛けたら一分間待つ。十分にエンジンオイルを循環させるためだ。それから、すぐ走り出してしまう。トランスミッションやデフのギアを暖めてやるためだ。気が狂ったほど飛ばしたのでは意味がない。ゆっくり、じっくり暖めるつもりで2Kmも走ればいい。

 

エンジンも、その他の回転部分、擦動部分がぬくもれば、金属にも粘性が生じるからモロさが消える。これが本当の意味の暖気運転というものだ。アイドリングでエンジンだけ暖めてやるクセをつけたクルマは、どうしても、トランスミッションやデフにガタがくるのが早い。

 

エンジンだけがウォーミングアップ、調子がいいと誤解して、いきなり冷えたトランスミッションやデフに強大なトルクをかけるのだからたまったもんじゃない。アンバランスに磨耗してしまうことになる。どれもこれも平均的に消耗させ、総体的に長く使えということだ。


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