タイヤローテーションは5,000キロ?
そこでいわれるのがタイヤローテーション。クルマの取り扱い説明書を見ると、あろうことか、3,000キロに一度はローテーションをするように指示してあるものがある。長距離の多いオーナーなら二か月に一回はローテーションをしなければならないことになる。年に六回という勘定だ。
そのローテーションも、スペアタイヤを取り出して前右に、前右のものをトランクに収めて左前のものを右後に、と図解入りで書いてある。〃シャクシ定規″な性格の方は一度図解どおりにやってみるといい。たとえやりたくても近頃はテンパタイヤかスペアになっている。ジャッキでシコシコ持ち上げては一本替え、降ろして反対側でまたシコシコ、完成までに少なくともジャッキを四回使う事になる。おまけにタイヤの裏側というのは、なぜか泥だらけの汚いもの。背広姿でいきにできるという作業じゃない。
スピード狂のようにタイヤを鳴らして走るような人のクルマなら、そんな必要もあろうけど、クルマを大切にする人だったら、年に六回もローテーションする必要はまるでない。スペアタイヤに手を触れることなく、いわゆるXローテーション、前右を後左へ、後右を前左へ、あるいは同じ側の前後を入れ替えるだけの交換でたくさんだ。それで、前のタイヤと後のタイヤの減り具合が、左右平均していればクルマは正常。
このXローテーション、前後ローテーションも5,000キロか1万キロに一度やってやれば十分だ。経済性無視設計のハイグリップタイャや特殊な目的のタイヤは別として、ノーマルの安物タイヤでも約4万キロ、上等のスチールラジアルならノーマルの倍はもつから、8万キロぐらいの耐摩耗性があるのが当たり前。それが妙に減りが早いようなら、乗り手の技術が一人前でないかクルマの足回りが狂っているとみていい。とくに、一本だけ減りが早いなどはその典型だ。
もし、一本だけ減りが激しいようなら、ぜひサービスエ場で点検してもらった方がいい。前二本のタイヤの外側がひどく減るようなら、自分の運転技術を点検してみることだ。「そんなことはない」というなら、5,000〜1万キロに一度Xローテーションを続ければ十分なはず。もっと手をかけたくなければ、前輪左右のタイヤを、1万〜2万キロに一度入れ替える。
そして徹底的に骨までシャブるように使って、セフティマークが見えそうになったら、前二本だけ新品を奮発してやる。Xローテーションなら四本買い替えなければならないが、前二本左右交換なら二本ですむ。経済的というものだ。ただ、新品にするときは、ほかのタイヤと同じブランド、同銘柄にするのが無難。
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